西宮市夙川の循環器内科、サルース苦楽園クリニック | 心臓病と血管病専門に30年

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循環器内科と生活習慣病
心臓の病気
冠動脈疾患（虚血性心疾患）

冠動脈疾患（虚血性心疾患）とは

心臓の筋肉（心筋）に血液（酸素）を供給する血管（冠動脈）が狭くなったり閉塞したりして、心筋に十分な血液を送れなくなる病気で、狭心症や心筋梗塞のような病気が含まれます。

狭心症

心臓の筋肉（心筋）に十分な血液（酸素）を送ることができない（心筋虚血）ため、一時的に胸部症状（胸の痛みや胸の圧迫感）が生じる病気。

症状

主な症状は、胸部圧迫感や胸の痛み（胸部症状）、みぞおち（心窩部）の痛みです。
左腕や顎などに痛みや違和感がみられることもあります。
動いた時（労作時）に症状がみられる場合は、安静によって軽快します。
安静時にみられる場合も、しばらくすれば軽快します。

原因

主な原因は動脈硬化です。心筋に血液を送る血管（冠動脈）の内部が狭くなる（狭窄）ことによります。

動く時（労作時）には、安静時より多くの血流を全身に送るため、心筋もより多くの血流を必要とします。冠動脈に狭窄があると、労作時に必要な血流を心筋に送れないため、胸部症状がおこります（労作性狭心症）。

高血圧、糖尿病、脂質異常症（コレステロールの異常）、喫煙が動脈硬化のリスク因子です。これらのある方に胸部症状がみられれば、狭心症を疑います。

動脈硬化がなくても、冠動脈が痙攣（冠攣縮）すると、心筋に必要な血流が送れなくなり、胸部症状がみられます（冠攣縮性狭心症）。このタイプでは、安静時でも胸部症状がみられます。

症状が増悪していくタイプ（不安定狭心症）

冠動脈内部の動脈硬化が進んだ箇所（プラーク）に血の塊（血栓）が形成され、血流が著しく低下し、血流が途絶えて心筋梗塞に至ることもあります

狭心症と間違えやすい病気

心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症、心不全、不整脈、心膜炎・心筋炎、肺梗塞、大動脈解離、胸膜炎、気胸、胃食道逆流症、等

診断に必要な診察・検査

専門医による問診と身体所見、心電図検査、動脈硬化検査、心エコー、血液検査、頸動脈エコー、ホルター心電図、負荷心エコー、冠動脈CT検査、負荷心筋シンチ

診察・検査のポイント

問診	問診は医師の総合力です。心臓疾患への臨床経験量が大変重要になります。
身体所見	聴診で心雑音や呼吸音の異常がないか、心不全を疑う所見がないか評価します。
心電図	脈不整、心筋に必要な血流が送れていない状態（心筋虚血）、心肥大、右心室負荷などを疑う所見がないか評価します。
動脈硬化検査（脈波伝播検査PWV）	動脈の硬さを測定し、動脈硬化の存在や程度を評価します。
心エコー	心拡大、心肥大、心臓の動きの異常、心臓に水分貯留がないか、心臓の弁に異常がないか、大動脈の異常、等から鑑別診断します。特に、心臓の動きの異常は、心筋梗塞との鑑別に重要です。
頸動脈エコー	頸動脈の動脈硬化の存在や程度を評価します。
血液検査	冠動脈疾患のリスク因子（脂質異常、糖尿病）、炎症所見、心不全マーカー、心筋障害マーカー、血栓マーカー等を判断材料にします。
ホルター心電図	心筋虚血を疑う心電図所見がないか、脈不整の有無や重症度の評価を行います。
負荷心エコー	運動あるいは薬物負荷後に心筋虚血を疑う心臓の動きの異常がないかの評価を行います。
負荷心筋シンチ・冠動脈CT検査	上記の検査で狭心症が疑われる場合に行われる精密検査です。心筋への血流異常や冠動脈の狭窄がないか画像診断します。

まとめ

心筋梗塞など病院での早急な治療が必要な病気を狭心症との誤診を避けるためには、臨床経験豊富な循環器専門医の受診をおすすめします。

心筋梗塞

心臓に血液を送る血管（冠動脈）が突然閉塞し、その先の心臓の筋肉（心筋）に血流が途絶えて、心筋が壊死（梗塞）する病気。

症状

典型的な症状は、突然生じる激しい胸痛です。みぞおち（心窩部）、左腕や顎などに痛みが生じることもあります。
激しい胸痛が20分以上持続する場合には心筋梗塞の可能性があります。
前兆となる胸痛（狭心症）が、発症までにみられる場合もありますが、突然に発症することもあります。

原因

主たる原因は動脈硬化で、冠動脈内部の動脈硬化が進んだ箇所（プラーク）が破れて血の塊（血栓）ができ、冠動脈が閉塞してしまうことによります。
動脈硬化のリスク因子は、高血圧、糖尿病、脂質異常症（コレステロールの異常）、喫煙です。これらのある人に、前述の症状がみられれば、心筋梗塞を疑う必要があります。

心筋梗塞と間違えやすい、あるいは合併し得る病気

狭心症、心筋症、心筋炎・心膜炎、タコツボ心筋症、肺梗塞、大動脈解離、等
僧帽弁閉鎖不全、心室中隔穿孔：これらを合併すると心不全を起こす可能性があります。

鑑別診断に必要な診察・検査

専門医による問診と身体所見、心電図、心エコー、血液検査

診察・検査のポイント

問診	問診は医師の総合力です。心臓疾患への臨床経験量が大変重要になります。
身体所見	聴診で心雑音や呼吸音の異常がないか、心不全を疑う所見がないか評価します。
心電図	脈不整、心筋に必要な血流が送れていない状態（心筋虚血）、心肥大、右心室負荷などを疑う所見がないか評価します。
心エコー	心拡大、心肥大、心臓の動きの異常、心臓に水分貯留がないか、大動脈の異常、等から鑑別診断します。心筋梗塞では、心臓の筋肉の一部が動かなくなるため、心エコーによる心臓の動きの評価がとても重要です。心筋梗塞のため、心臓の筋肉（心筋）の一部分の動きが不良となっています（矢印）。
血液検査	冠動脈疾患のリスク因子（脂質異常、糖尿病）、心筋逸脱酵素、炎症所見、心不全マーカー、心筋障害マーカー、血栓マーカー等を判断材料にします。

まとめ

心筋梗塞は病院での早急な治療が必要な病気です。激しい胸痛がおさまらない場合は、本疾患の可能性が考えられますので、早急に循環器の病院受診がすすめられます。症状が軽い場合でも心筋梗塞のことがありますので、ご心配な方は、臨床経験豊富な循環器専門医の受診をおすすめします。

サルース苦楽園クリニック概要

院長	穂積健之
標榜科目	循環器内科
所属・資格	日本内科学会　　総合内科専門医日本循環器学会　　循環器専門医・フェロー（FJCS）日本心臓病学会　　心臓病上級臨床医（FJCC）米国心臓病学会　　フェロー（FACC）日本超音波医学会　　超音波専門医・超音波指導医日本心エコー図学会　　心エコー図専門医日本抗加齢医学会　　専門医
住所	兵庫県西宮市南越木岩町11-10 TH医療ビル苦楽園　3階
電話	0798-73-3603（電話予約可）