動脈硬化検査[PWV(脈波伝播速度)検査:血管年齢検査]
PWV(脈波伝播速度)とは
心臓から押し出された血液により生じた拍動が動脈を通じて手や足に届くまでの速度のことです。動脈硬化が始まり弾力性が減ってくると、動脈の拍動が伝わる速度は速く(PWV値が大きく)なります。このため、PWV値を測定することで、動脈硬化の程度が推定できます。PWVは動脈硬化の機能的評価法で、血管の老化度を表すことから、血管年齢検査ともいわれます。
ABI(足首/上腕血圧比)とは
PWV検査では、同時に足首/上腕血圧比(ABI)が評価されます。下肢動脈の動脈硬化が進むと、動脈の内部が狭くなり、下肢の血液循環障害がみられるようになります。すると、足首の血圧が上腕の血圧に比べて低くなり、ABIが低くなります。このため、ABI値から下肢動脈の動脈硬化による狭窄診断ができます。
動脈硬化の程度
動脈硬化の進行度は、次のように評価されます。
- PWV <1400 cm/s:血管本来の弾力性が保たれている。
- 1400 <PWV <1800 cm/s:血管がやや硬い
- PWV >1800 cm/s:血管が硬く、血管内部がやや狭い可能性
PWVで動脈硬化がみられたら
- 動脈硬化の原因となる高血圧・脂質異常・糖尿病があれば、食生活の改善とともに、内服薬によるコントロールが望まれます。
- PWV値によっては、頸動脈エコー検査で、動脈硬化の形態評価をおすすめします。
- 動脈硬化が進むと、各臓器(心臓、脳、腎臓、等)に障害がみられるようになります。PWV値によっては、各臓器に障害がないか調べることをおすすめします。